06
食事を終え、移動の為に電車に乗る。
午後は、この近くにあるアース第一支部に立ち寄る事になっていた。
「…………」
「どうなさいましたか」
まだ何かの余韻に浸っている様子の至聖に、真宵が鬱陶しそうに尋ねる。
「苺プリンを食べてる華原さんが、可愛かったなあと思ってね」
「は?」
「大きな瞳をきらきらさせて、本当に可愛かったよ」
「……下らない」
一言で切り捨てた真宵は、眉をしかめて続けた。
「遊びで来ている訳では無いのですから、もっと気を引き締めて下さい」
「大丈夫、忘れてないよ。でも、いつも気を張ってばかりじゃ疲れてしまうだろ?だから俺は、君にも笑ってほしいと思うんだ。女性は笑顔の時が一番魅力的だからさ」
腰を屈めて笑い掛けると、真宵がはっとしたように体を離す。
「私にそういう事を求めないで下さい」
素っ気無く言ってから、足元に置いていたバッグを持ち上げる。
「そろそろ降りる頃ですね」
「あっ、華原さん。荷物は俺が持つから」
「結構です」
もう何度交わしたか分からないやり取りを繰り返しながら、二人は電車を降りた。
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Reservoir Amulet