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出掛ける時に書き写して来たメモを手に、街の中を足早に進む。

向こうからのコンタクトがあった時点で動く事は、前から決めてあった。

雑踏に紛れながら歩き、駅前のセルフサービスの喫茶店に入る。

窓際のテーブルについて、通り過ぎる人々をさり気無く眺める。

三十分も経たない内に、目的の人物が歩いて来た。

二人は一瞬視線を合わせて立ち上がる。

素早く外に出て、見付けた人物を気付かれないように追い掛ける。

尾行しているのは、スーツ姿の中年のサラリーマンだ。

ごく普通の仕事帰りの様子は、完全に街に溶け込んでいる。

至聖は携帯電話を取り出し、小声で告げる。

「ターゲット、発見しました。追跡します」

隣を歩く真宵も、少し前を歩く男の後ろ姿から目を離さない。

人混みの中で少しずつ距離を詰めて行き、信号待ちで立ち止まったところで一気に近付く。

男の少し後ろに立った至聖は、気付かれないようにスーツと鞄に小さな部品を取り付ける。

信号が青に変わり、再び真宵と並んで何食わぬ顔で歩き出す。

そのまま尾行を続け、男が情報と同じ家に入って行くのを見届ける。

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