06
「……普通に振舞ってたけど、燎も複雑だろうね」
内心、どう思っていたのだろう。
自分の父親の姿をしたモノに、発信機を付けて監視するというのは。
違うと分かっていても迷ってしまうのは。
人間の弱さであり、そして。
「行きましょう」
しばらくの間至聖を見上げていた真宵は、ただそれだけ言って促した。
監視対象は、他にもいる。
早い内に接触して、発信機を仕掛けなくてはならない。
駅へ向かう道を戻り始めて、ふと足を止める。
少し先に立つ、一人の子供。
あどけない顔が、不意に歪む。
浮かぶのは、狂笑。
まずいと思った瞬間には、子供はその姿を大きく変えていた。
一瞬で背が伸び、ほっそりとした女性のラインを形作る。
肩までの髪に、人形のようにはっきりとした顔立ち。
真宵と同じ姿をしたモノが、妖艷な笑みを浮かべる。
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Reservoir Amulet