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「……っ」

息を飲んでから動いた至聖より、隣の真宵の方が早かった。

身に付けていた銃を握り、構えて撃つ。

的確に額を撃たれたモノは、ゆっくりと倒れた。

そして、緑の塊と化して行く。

じわじわと血のように広がる液体も、深い緑をしている。

「外見に惑わされず、迷わずに倒さねばならない。そう私に言ったのは、誰でしたか」

銃を下ろした真宵が、落ち着いた声で言う。

「……ごめん」

「私に謝罪は不要です」

それだけ告げて支部に報告を始めた真宵を見詰める。

本当に、何をやっているのだろう。

以前彼女に、偉そうにお説教したのは自分なのに。

あの時瞬時によぎった考えに、動きが止まってしまうなんて。

深い緑のモノを見やって、自嘲の笑みを隠すように自分の前髪に触れる。

覚悟なら、とうに決めた。

今更迷いなど入り込む余地は無い。

それなのに、一瞬の思考はさざ波となって胸に残った。

あれが自分の前に現れたのは、きっと偶然ではない。

遠からずやって来る、全てが明らかになる時。

その時に、いつも通り笑っていられるだろうか。

もう、傷も痛みも充分だ。

何の跡もいらない。





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Reservoir Amulet