12
「……あのさ」
端末を覗いていた至聖は、真宵に向かって恐る恐る尋ねた。
「華原さん、もしかして……。俺に発信機仕掛けたんじゃ……」
「はい。どれ位の性能なのか試そうと思って、付けさせて頂きました」
「何処に!?」
「それを教えては意味が無いでしょう?」
感情を読ませない淡々とした声で続ける。
「五十嵐さんってちゃらちゃらしているのに、夜はきちんと部屋にいらっしゃるんですね」
二人のやり取りを眺めていた卓が、不意に忍び笑いを洩らした。
「良い相方を持ったな、五十嵐君」
「ああ、俺もびっくりしたぞ。まさか華原が至聖を庇うなんてな」
近付いて来た燎が口を開くと、真宵は不本意そうな顔をする。
「別に庇った訳ではありません。私はただ、事実を言っただけです」
「冴凪さん。至聖に何か?」
悠也の質問に、皆の視線が集まる。
注目された卓は、再び表情を険しくして応じた。
「先程第一支部から報告が入った。昨夜、監視下に置いているモナダが接触した人物が、五十嵐君に似ていたらしい。暗い中、僅かの時間だけの確認だったそうだから、見間違いの可能性が高いが……」
- 73 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet