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その時、唐突に真宵が目を覚ました。

「あ、華原さん」

「……っ」

思い切り見られていたと気付いた真宵は、息を飲んで勢い良く立ち上がろうとした。

「えっ、わっ」

同じ勢いで手錠を引っ張られた至聖がバランスを崩し、もたれていた資料の壁ごと真宵の方へ倒れ込む。

どさどさという音が辺りに響き、甘い香りが鼻をかすめた。

柔らかく温かなものが、すぐ下にある。

状況をよく理解出来ないまま視線を動かし、そのまま硬直してしまう。

吐息が触れ合う程の距離に、真宵の顔がある。

普段あまり感情を表に出さない真宵も、今はさすがに驚いた表情をしていた。

「…………」

お互いにどうしたら良いのか分からないまま沈黙が降りた時、資料室のドアが開いた。

「どうしたの?何か凄い音がしたけど」

様子を見に来た里沙が、床に倒れ込む二人の姿を見て目を見張る。

「あっ、ごめんなさい!続けて続けて!」

里沙は慌てて目を逸らし、大急ぎで出て行った。

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