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完全に誤解されている。

焦った至聖が声を上げると、そろそろとドアが開いた。

「ああ、びっくりしたわ。まさかこんな軍の支部で、少女漫画みたいな展開があるなんて思わないじゃない?」

「日暮さん、少女漫画なんて読むんですか」

「失礼ね!私だって一応は乙女なんだから」

憤然とした里沙に、真宵が促す。

「それで、連絡というのは?」

「ああ、それはね……」

里沙が言い掛けたのを制するように、携帯電話の着信音が鳴った。

「あ、すみません。俺です」

断りを入れてから携帯を耳に当てた途端、大声が飛び込んで来る。

『おい、至聖!お前今、第一支部にいるんだよな?』

「は?そう言ってあるだろ。華原さんも一緒にいるけど」

そう返すと、興奮した様子の燎の声が僅かに恐怖を帯びた。

『じゃあ、何なんだよ、これは……』

ただならぬ様子に、至聖は思わず真宵の方に目を向ける。

相変わらず冷静そうなその顔に、一瞬だけ笑みが浮かぶのが微かに見えた。





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