09
携帯を片手に持ったまま、もう片方の手を上着の下の銃へと伸ばす。
緊張で張り詰めた空気が、びりびりと痛い程だ。
「至聖、出た?」
同じようにいつでも戦える体勢を取りながら、横にいる悠也が小声で訊いて来る。
燎も数メートル先にいる人物から目を逸らさずに言う。
「ああ。華原と一緒に、第一支部にいる」
「じゃあ、あれは誰?」
「俺に訊かれても知らねえよ」
モナダが成り代わった人々と接触している、怪しい者。
その正体を突き止めようと、調査していた二人の前に現れたのは。
穏やかな微笑みを浮かべた、よく見知った人物。
五十嵐至聖にしか見えなかった。
- 85 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet