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携帯を片手に持ったまま、もう片方の手を上着の下の銃へと伸ばす。

緊張で張り詰めた空気が、びりびりと痛い程だ。

「至聖、出た?」

同じようにいつでも戦える体勢を取りながら、横にいる悠也が小声で訊いて来る。

燎も数メートル先にいる人物から目を逸らさずに言う。

「ああ。華原と一緒に、第一支部にいる」

「じゃあ、あれは誰?」

「俺に訊かれても知らねえよ」

モナダが成り代わった人々と接触している、怪しい者。

その正体を突き止めようと、調査していた二人の前に現れたのは。

穏やかな微笑みを浮かべた、よく見知った人物。

五十嵐至聖にしか見えなかった。





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Reservoir Amulet