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「おい、まさか……」

音を立てて椅子から立ち上がった燎が言い掛けた言葉を、悠也が引き取る。

「モナダが姿を写したって事?」

「その可能性はあるだろう?生まれたばかりの時に姿を写されて、だけど元になった方は殺されず、二人共双子として育てられた。まだ成り代わりが増える前、二十年以上昔の話だ。そんな事があったって、おかしくない」

先程から黙ったままの真宵を見て続ける。

「姿を写されても、必ず殺される訳じゃないって分かったしね。俺達の両親がいないのは、もしかしたらそこに原因があるのかもしれない」

いきなり語られる内容に混乱した様子の燎が、ふと思い付いたように尋ねる。

「至聖。それで……仮に姿を写されたとして、元になったのはどっちか分かってるのか?」

勿論お前だよなと続けそうなところを遮って、至聖は自嘲気味に笑う。

「さあ、どっちかな。分からないよ。だからさ、もしこの先俺がモナダだって判明したら、迷わず殺してよ。その為に、俺はこんな話をしてるんだから」

もう諦めているような口調。

いつかこんな日が来ると分かっていて、何度も何度も考えて。

覚悟を決めたような瞳。

それを感じ取った皆に、再び重苦しい沈黙が降りて来る。

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