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初めて向けられた笑顔から、思わず目を逸らせなくなる。

不意にこぼれる微笑みが、あまりにも眩しいから。

「……華原さんは、気持ち悪くない?」

低く掛けられた言葉に、真宵が首を傾げる。

それを見て、至聖は続けた。

「気持ち悪くならない?俺が、あんな……緑色した気持ち悪いモノだったとしたら」

「…………」

返って来る言葉は無かった。

沈黙が重く痛くて俯くと、急に辺りの空気が動いた。

すぐ隣で衣ずれの音がして、ふわりと甘い香りが漂う。

両手で頬を包まれて、顔を覗き込まれる。

「何があっても、五十嵐さんは五十嵐さんです。此処にいて、話して、何かを感じてる。その事実は変わりません」

凛とした声、揺らがない瞳。

きっと幾つもの葛藤を乗り越えて、色々な事を考えて。

そうして手にした、優しい強さ。

ああ、彼女はこういう女性だった。

自分は確かに知っている。

パートナーとして、行動を共にしていたのだから。

そして、きっとこういうところに。

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