05
数日後、どう見ても古いアパートにしか見えない建物を訪れた。
「……此処ですか」
車で連れて来てくれた卓に確認すると、重々しく頷かれた。
「そうだ。此処がアースの第二支部だ。中々趣のある建物だろう」
「見たところセキュリティなどの管理はかなり緩そうですが」
「緩いなんてものじゃないぞ。この前部屋に入ろうとして、そのままドアを外した奴がいたな」
「…………」
卓は愉快そうに笑っているが、大丈夫なのだろうか。
内心そう思っていると、卓が不意に口元を歪めた。
「誰もこれが軍の支部とは思うまい。何事も隠そうとすればする程、何処かから綻びが生じる。むしろ堂々としていた方が秘密は守れるものだ」
妙に説得力があると感じるのは何故だろう。
「実際此処にはこちらの切り札とも呼べる人材が揃っている。故に時が満ちるまで、敢えて表立った動きはさせない。向こうに勘づかれては困るからな」
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Reservoir Amulet