03
しばらく走ってバイクを停めたのは、夜になるとほとんど無人になるオフィス街の外れだった。
僅かに掛かる霧に気付き、ヘルメットを外す。
まだ霧は濃くはない。
しかしもう少し濃度が高まれば、恐らく警報が鳴る。
封鎖が始まる前に、立ち去るべきか。
それとも、此処に留まり調べるべきか。
考えていると、同じようにバイクを停めたもう一人もヘルメットを取った。
同じ歳頃に見える、青年。
「…………」
以前、何処かで会った気がする。
目が合ったまま思い出そうとしていると、青年がすっと視線を動かした。
「霧が出て来ましたね。早く行かないと、厄介な連中が来ますよ」
その言葉に、はっと息を詰める。
もしかしたら、この青年も。
そこへ、一台の車が近付いて来た。
二人をライトで照らし出し、急ブレーキを掛ける。
「奴等にしては、やけに早いですね」
「……いや。これは奴等の車じゃない」
身構えながら会話を交わした時、運転席からカメラを持った青年が降りて来た。
- 3 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet