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知った顔ではない。

その事に、そっと息を洩らす。

奴等でないなら、幾らでも切り抜けられる。

「驚いたね。こんな所でお会い出来るなんて」

カメラを持つ青年は、親しみ易く話し掛けて来た。

「しかも二人一緒にいるなんて。知り合いだったなんて意外だね」

こちらは知らないが、向こうは知っているようだ。

緩みかけていた警戒を強めながら、短く尋ねる。

「……誰だ?」

「ああ、これは失礼。俺は広瀬海斗。記者をやってる」

「記者ですか」

名刺を渡された青年は、怪訝そうな顔を向ける。

どうやら彼も知らないらしい。

「ああ、翡翠【ひすい】要【かなめ】さん。この都市を造る為に土地を提供した権力者の家の出だよな」

「……っ」

思わず息を飲む。

要と呼ばれた青年も、驚いた顔をしている。

そうか、だから何処かで見たような気がしたのか。

納得した時、海斗がこちらを見た。

「それから、葉月【はづき】鎮真【しずま】さん。本当は」

それ以上言わせず、海斗の襟首を掴む。

「お前、何処まで知ってる?」

「俺が調べられるところまでさ。それが記者の役目だからね」

「…………」

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