06
巡る季節さえも、管理されたもの。
それでも時が経った事を、時々実感させられる。
明るい声と共に通り過ぎる生徒に挨拶を返しながら、ふとそんな事を思う。
最初は到底馴染めないと感じたこの仕事も、不思議と違和感が無くなって来た。
「まさか、教師になるとはねぇ」
不意に聞こえた声に顔を向けると、海斗が近付いて来た。
「見てたのか」
「まあね。始めはどうなる事かと思ったけど、意外と似合ってるんじゃない?」
その言葉に、思わず笑みを浮かべて答える。
「もう一人の先生様には負けるけどな」
「ああ、あいつははまり過ぎだって。むしろ、最初から教師じゃなかったのが疑問な位だよ」
話をしながら歩き出す。
生徒数の多いこの学院も、夕暮れの過ぎたこの時間になると静かになる。
研究室が集まる棟まで来て、その中の一つのドアをノックする。
中からの返事を聞いてドアを開けると、要が立ち上がった。
「よく来ましたね。コーヒーでも淹れましょう」
テストの採点をしていたらしい様子に、先程の会話を思い出してしまう。
本当に、要は教師の仕事が似合っている。
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Reservoir Amulet