一人よりも.07
その後でマイヤも立ち上がり、ふと思い出して尋ねた。
「そういえばシズマさん、さっきまで何処にいたんですか?」
「ああ、俺の部屋だ」
「え?行ってみたら、いなかったようでしたけど」
「俺はもう一つ部屋を借りてるんだ。荷物が入り切れなくなってな」
その言葉に首を傾げる。
「そんなに沢山荷物があるんですか?」
「まあな。気になるんなら一緒に来てみるか?」
「良いんですか?」
「ああ。お前には見せておいた方が良いかもしれないしな」
二人は大人しく座って見送るコマイを庭に残し、家の中に入った。
「…………」
マイヤは黙ったまま、前を歩くシズマの背を見詰めた。
人は一人でも生きて行けるけれど。
目を伏せて、溜息を洩らす。
いつもいつだって、一人は寂しいから。
それを知っているから、もう一人にはさせないから。
どんなに遠くても。
せめて側で、いつも温もりを。
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