一人よりも.08


シズマの後について部屋の中に入ったマイヤは目を見張った。

「す、凄いですね」

そこには棚から溢れる程の本があり、壁には設計図のような絵が何枚も貼ってある。

「散らかってて悪いな」

「これは、この都市についての資料ですか?」

「ああ。都市庁に勤めていた頃に手に入れた内部資料なんかもある。いつか役に立つかもしれないし、捨てる訳には行かないんだ」

マイヤは膨大な資料を前に、自分の胸に手を当てた。

流れた時は戻らない。

犯した罪を取り消す事も出来ない。

何度も間違えたとしても、それでもまだ。

嘘を嘘で隠しながら、それでも尚願わずにはいられない。

だからだろうか、こんなにも胸が痛いのは。

気付いたら、ふと尋ねていた。

「シズマさんはずっと……。一人で戦い続けているんですか?」

シズマは驚いたように見詰めてから、微笑んで返した。

「今は一人じゃない。そうだろう?」

幾つ嘘を重ねたとしても。

この暖かさに、嘘は無いから。

「……はい。そうですね」

いつも、この微笑みを願う。

いつか来る、贖いの日まで。







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