一人よりも.09


「人は元来欺き、利用し合いながら生きる……」

都市庁の施設。

その最新部にある機械を見上げながら、司は一人呟いた。

規則正しく響く作動音。

微かに続く振動。

その全ては、この都市にエネルギーが正常に供給されていると示している。

「今の世の中、そうする事が自分を守る最善の手段だからだ」

無機質な光景の中、その振動には何故か温かさを感じる。

だから、異様なようにも思えて。

「その上で尚、此処へ来られるなら来れば良い。シズマ……」

それを知りながら、尚信じられる何かを見付けられるなら。

来たいと思うならば、そんな事が出来るならば。

限りなく愚かで、儚い願いを抱く彼女と共に。

裏切りのこの場所へ、もう一度来れば良い。





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