一人よりも.12


暗くなった自分の部屋で、シズマは目を覚ました。

側には読んでいた本が落ちている。

いつの間にか眠っていたらしい。

そのまま明かりも点けず、窓から見える月を見詰めた。

都市庁によって管理されている景色を。

深く息をつき、ぼんやりとした頭のまま部屋を出る。

まるで何かに呼ばれているように廊下を歩き、庭が見える所まで来て足を止める。

視線の先にある庭には、マイヤがいた。

芝生に腰を下ろし、膝に乗せたコマイを撫でている。

その表情は、此処からはあまり見えない。

けれど一人でそこにいる、その様子があまりにも寂しくて。

普段決して見せない彼女の、深い哀しみが伝わって来るようで。

立ち尽くしたまま、動けなくなった。

『貴方が寂しいなら、私が代わりに泣きます』

『一人で考えて悩んで、戦って。だから寂しくて、でも誰にも寂しいと言えない。私と同じなんじゃないかって』

そっと自分の肩に手を当てる。

今でもまだ、傷は疼く。

決して癒える事の無い痛みが、この身を苛む。

けれど、何処までも真っ直ぐな言葉が迫るから。

一人ではないと、信じられる気がする。





- 105 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet