一人よりも.13
要はリビングでコーヒーを飲みながら、学院の試験問題を作成していた。
自室でやっても良いが、此処のテーブルの方が広くてやりやすい。
「こんな時間まで仕事かい?熱心だね」
不意に声を掛けられて視線を動かすと、大きな鞄を持った海斗が入って来た。
「君こそ、今帰ったんですか?」
「まあね。なかなか忙しいんだよ」
「マイヤさんが、冷蔵庫に夕飯が入っていると言っていましたよ」
開いたままの資料をめくりながら、キッチンの方を示して言う。
「そうか。じゃあ、有り難く頂こうかな」
海斗は鞄を置き、キッチンへと向かった。
冷蔵庫からラップを掛けた皿を取り出して、感慨深く呟く。
「マイヤちゃんが来てから食事は美味しいし、洗濯や掃除も丁寧だし、やっぱり女の子がいると違うね」
「そう思っているなら、たまには温かい内に食べてあげたらどうですか」
ノートパソコンのキーボードを叩く手を休めずに要が言うと、海斗はレンジで食事を温めながら流し台にもたれて息をついた。
「俺だって野郎の写真なんか撮ってるより、可愛い女の子の笑顔を見ていたいんだけど」
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Reservoir Amulet