一人よりも.14
「また都市庁の方に不穏な動きでもあったんですか?」
「そんなのしょっちゅうだよ。一つ綻んだらぞろぞろ悪事が明らかになるだろうね、ああいうのは」
レンジから温めた食事を取り出し、ラップを外す。
「だからとっとと綻びを無理にでも作り出して、都市庁の悪事を明るみに引きずり出したいところだけど。そう簡単には行かないだろうね」
テーブルについた海斗に、しばらく考え込んでいた要が言う。
「きっと同じ事を、あの二人も考えているんでしょうね」
「あの二人って、シズマとマイヤちゃんかい?」
「はい。二人は何処か似ています。いつも決して弱さを見せない。それでいて、何か危険な事を考えていそうなんです」
「ふうん……」
海斗はしばらく探るように要を見ていたが、やがて箸を持ちながら言った。
「ま、どうあってもやるべき事は変わらないからね」
「そうですね」
海斗は湯気のたつ食事を口に入れ、微笑んで呟いた。
「……美味しいよ」
どうあっても、やるべき事は変わらない。
力になる、あの二人の。
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