夢の狭間.05
「危険な事もですか?」
心配そうにマイヤが尋ねると、シズマも手を止めて呟くように言う。
「そうだろうな。それが海斗のやり方だから」
「僕も以前、都市庁に目を付けられると厄介だと言った事がありますよ。彼は心配無いと笑っていましたが、目は笑っていませんでした」
「海斗は何処まで本気なのか分からないところが怖いな」
シズマは苦笑したが、その瞳は海斗の身を真剣に案じているようだった。
「おや、これは海斗の書きかけの原稿みたいですね」
デスクの上のパソコンを見た要が、興味深そうに続ける。
「『虚飾と偽善に満ちた都市に、一人の女神が舞い降りた。清らかな瞳は果たして何をを見詰め、その唇は何を語るのか……。次号、巻頭グラビア&インタビュー!(予定)』」
「女神?それは凄い方ですね。私もお会いしたいです」
感心したように言ったマイヤに対し、要は意味有りげにパソコンの画面を示す。
「『彼女の勇気に、我々は希望を見出すだろう。都市庁長官と秘書官に対しても、一人毅然と立ち向かう凛とした強さ、公の場で堂々とその誤りを正さんとする揺るがない芯……。たった一人の女子高生に出来るのならば、我々も続くべきだろう』」
「女子高生?」
「これは、どう見てもお前だな」
パソコンの画面に映った写真に、シズマが呆れたように息をつく。
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