揺らめく海の都市.12


舞夜が見上げた鎮真の顔は真剣だった。

「ああ。何しろこの街は」

その時、突然列車が激しく揺れた。

「きゃっ」

「……っ」

鎮真はバランスを崩した舞夜をとっさに抱き止める。

列車は何度か激しく揺れた後で停止した。

他の乗客が騒ぎ出す中、灯りも切れて辺りが暗くなる。

「春日、大丈夫か?」

「は、はい。でも先生、これは……」

「何か事故があったみたいだな」

舞夜がふと周囲を見回して呟く。

「霧……?」

「まずいな」

立ち込める霧の中、鎮真が素早く他の乗客を見る。

皆、意識を失っているようだった。

「外傷はほとんど無いようですけど、どうしたんでしょう」

膝をついて通路に倒れている初等部の生徒を抱え上げながら、舞夜が言う。

「少し調べてみた方が良さそうだな」

鎮真は腕組みをして、引く呟いた。

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