波のざわめき.04


シズマは笑って、隣に立つマイヤを見上げた。

「お前がいると、随分助かるよ」

「え?」

「そうだね。ずっと失敗続きだったのに今日此処まで解析出来たのも、女神様がいてくれたからかな」

「ええ!?そんな事ありませんよ」

すると、要がぽつりと呟いた。

「……いいですね」

「ん?」

「僕も、皆が笑っていられるのは良いと思いまして」

暖かな瞳で、シズマとマイヤの方を見て続ける。

「何があるとしても、塞ぎ込んでいるより笑っている方がずっと良いでしょう」

「……そうだね」

そっと微笑んで同意した海斗が、調子を変えて言う。

「雰囲気が明るくなったところ悪いけど、一つ水を差させてもらうよ。実験材料のシードジェスエネルギーの供給の申請が、また通らなかったよ。シードジェスエネルギーの詳細は都市庁の最高機密だから、ガードも厳しいね」

「そうか。海斗のツテを使っても、許可が下りないか……」

マイヤは考え込んだシズマを見て尋ねる。

「都市庁に、シードジェスエネルギーの供給を申請しているんですか?」

「ああ。実験用にまとまった量を供給してくれるように、海斗の人脈を通して申請しているんだが」

「そうですか……」

少しの間考えていたマイヤが、やがてさらりと言った。

「私、簡単に手に入る所を知っていますよ」

「え?」

「本当か?」

シズマと要が同時に聞き返す。

「はい。丁度明日行きますし、皆さんもご一緒に如何ですか?」

「やっぱりマイヤちゃんは救いの女神だったね」

そこにいてくれるだけで、心が暖かくなる。

ただ、君がそこにいてくれるだけで。

道は拓く、そんな気がする。





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