熱.04


ずっと彷徨い続けていた。

温もりを捜し求めながら。

「…………」

目を開けてすぐに、シズマと目が合った。

(シズマさん……)

「マイヤ、気分はどうだ?」

読んでいた本を傍らに置いて、シズマが顔を覗き込んで来る。

「……っ」

どうしてこんなに安心するのだろう。

何だかとても哀しい夢を見ていた気がするからだろうか。

「マイヤ?どうかしたのか」

心配そうに尋ねて来るシズマに首を振り、手を伸ばしてその服を掴んでからようやく言った。

「いえ……。何でもないです」

強く求めても良いだろうか。

こんなにも、残酷な程に。

シズマが、ふっと微笑んで言った。

「まだ熱があるみたいだな。哀しい事ばかり考えようとしてるだろ」

優しい手が髪に触れ、そっと撫でて行く。

「もう少し眠った方が良い」

「はい……。シズマさんの手、冷たくて気持ちいいです」

「それは、まだお前に熱があるからだろう」

聞き慣れた声が、囁くように続く。

「俺は此処にいる。だから安心して、今は休め」

- 135 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet