揺らめく海の都市.14


シードジェス総合病院は、運び込まれた乗客で混雑していた。

丁度下校時だった事もあり、そのほとんどがシードジェス学院の生徒だった。

救助活動を手伝った後、舞夜は病院の廊下にあるベンチに座って息をついた。

意識を無くしていた乗客も少し休めば回復するという事を聞き、ほっとしたせいか急に疲れが出て来る。

そっと目を閉じ、壁にもたれる。

体が重い。

「……春日?」

誰かが額に触れるのを感じて、はっと目を開ける。

「葉月先生」

鎮真が膝をついて舞夜の顔を覗き込んでいた。

「大丈夫か?熱は無いみたいだが、診てもらった方がいいかもな」

「いいえ、大丈夫です。今は少しぼんやりしていただけですから」

「……そうか?それなら良いが、無理はするなよ」

そう言ってから立ち上がり、続ける。

「じゃあ俺は、他の生徒の見舞いに行って来る。悪いが春日はもう少し、此処で待っていてくれるか」

「はい、分かりました」

鎮真が立ち去るのを見送ってから、もう一度息をつく。

まさかこんな事になるなんて。

もしも先程鎮真が言っていた事が本当だとするなら。

この都市は、内面は既にとても脆いのかもしれない。

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