熱.07
「ごめんなさい、シズマさん……」
「マイヤ?」
ベッドで眠るマイヤが僅かに体を動かし、呟くように言った。
その頬に、涙が一筋流れる。
「……ごめんなさい」
自分はなんて無力なのだろう。
こんなに近くにいるのに、彼女の涙一つ止める事が出来ない。
哀しい夢を、消す事が出来ない。
今こうして側にいられるのなら、こんな無力な自分は何が出来るのだろう。
こんなに優しくて綺麗で、哀しい彼女に。
ただ、いつまでも待っているから。
涙が乾くまで、手を取っていよう。
許されるならば、ずっと。
悲しいと打ち明けても誰も責めてもしないと分かってほしいから。
今はただ、感じる体温に頼って。
どうか、哀しみから醒めて。
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Reservoir Amulet