熱.08
やっと見付けた温もりに、手を差し伸べても良いのだろうか。
貴方の幸福を、祈り続けて良いのだろうか。
いつから自分はこんなに勝手で、汚くなってしまったのだろう。
幾つもの嘘を重ねて、偽り続けて。
誰にも見せられない、こんな自分は。
口でどんなに綺麗事を並べても、本当は自分自身を殺したくなる位に汚くて。
こんな自分を知ったなら、あの人はなんて言うだろう。
もう二度と笑いかけてはくれないかもしれない。
嫌われてしまうかもしれない。
側にいる事が出来なくなるかもしれない。
それが、こんなに怖いと思うのはどうしてだろう。
どうしてだろう。
後悔なんてしないと、覚悟は決めた筈なのに。
あんなにも誓ったのに。
真実を知ったあの日に、目的の為なら手段を選ばないと。
どんな事をしてでも目的は果たすと。
『どうしてでしょうね。でもきっと、私が此処にいる理由がそこに在るからですよ』
胸が痛くて、悲しくて、それでも笑顔で交わしたあの日の会話。
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Reservoir Amulet