熱.12
「冗談を言っている場合じゃありませんよ」
要が話の流れを元に戻す。
「何とかしないと、このままじゃ犯罪者として逮捕されるだけですよ」
「そうだな。なら、捕まる前に乗り込むか」
「都市庁に直接乗り込むって?本気かい?」
「ああ」
腕組みをして頷くシズマの瞳が、急速に鋭くなる。
「下手に逃げたり身を隠すより、いっそ懐に飛び込んだ方が安全だろう。一度上手く潜入できさえすれば、こちらの目的を果たす事も出来るしな」
「へえ、何の策も無く言ってる訳じゃないみたいだね」
要が難しい顔で口を開く。
「しかし、そう簡単に行くものですか?相手はあの都市庁ですよ」
「その点は問題無い。俺達には勝利の女神がついてるからな」
そう言ったシズマが視線を向けた先には、柱に手をついて体を支えたマイヤが立っていた。
「マイヤさん……」
「体調はもう良いのか?」
「はい、おかげ様で」
マイヤは足を進め、シズマの隣に腰を下ろした。
黙ったままテーブルの上の新聞を取り上げ、静かに目を通す。
それから顔を上げ、口を開く。
「都市庁に潜入するのなら、幾つか方法はありますよ」
微笑んで、自分の胸に手を当てる。
「此処は是非、この私にお任せを」
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