箱船.5
見張りを気絶させ、奥へと向かう。
しばらく歩いてから、海斗が言った。
「……何か変だね。あっさりし過ぎてるよ」
「そうですね。警備もやけに手薄ですし」
「はい。まるで、私達が来るのを待っているような……」
考え込みながらマイヤが呟いた時、突然警報が鳴り響き、沢山の人がやって来る気配がした。
『侵入者、侵入者、警備員は直ちにゲートへ……』
銃声が響く。
「シズマさん!」
マイヤがとっさに前に飛び出し、代わりに銃弾を受ける。
「マイヤ!?」
「早く逃げないと人が来ます!」
「やっぱり罠だったのか」
「残念ですが、此処は一旦退くしかないですね」
すると、シズマが妙に落ち着いた様子で言った。
「じゃあ、お前達とはこれまでだな」
「何だって?」
シズマは表情を変えず、側にいたマイヤの腕を掴み上げる。
「シズマさん……」
「さすが、一人で都市庁に潜入しただけの事はあるな。よく動じずにいられるもんだ」
「どういう事です、シズマ」
要の問い掛けに、シズマは淡々と応じる。
「お前達も知ってるだろう。俺の目的はシードジェスエネルギーの真実を知り、この都市の歪みを正す事。だからこれまでのようにお前達といるよりも、都市庁に戻った方が確実だと思っただけだ。この都市で絶対の権力を握っているのは都市庁だからな」
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