箱船.8


報告を受け、口元に笑みを浮かべる。

「……来たか」

司は自分の背後で音を立てる機械の方を振り向いた。

続く機械音に、身を沈めるように目を閉じる。

遂に、この時がやって来た。

裏切りの、この場所へ。

その全てを受け止めて尚、希望や幸福を見詰めていられるなら。

信じられる何かを見付ける事が出来るなら。

性急な絶望や破滅に飛び付かず、飲み込まれる事無く信じる事が出来るなら。

此処へ来れば良い。

目を開けて呟く。

「待っているぞ」

もう二度と、立ち上がれなくなるような絶望を。

それでも尚、信じられる何かを。








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