箱船.9
マイヤは厳重な見張りの中、都市庁の施設内の一室に閉じ込められた。
こちらに言葉を掛ける事も視線を向ける事も無いシズマを見送った後は、静寂が訪れた。
入り口のドアには鍵が掛けられ、見張りも外に立っている。
銃を取り上げられた今、此処から脱出するのは難しいだろう。
息をつき、他に誰もいない部屋の中を改めて見回す。
まるで病室のような、白い壁で囲われた部屋。
窓も無く肌寒い、白い檻のような部屋。
此処にいると、ひどく昔の事を思い出しそうで。
痛みと苦しみの中へ連れ戻されそうで。
視界を塞ぐように、膝を抱えてうずくまる。
子供のように、こうして身を守りながら。
今はただ、待つしか出来ない。
自分はどうやら、都市庁が欲しがっていた人材らしい。
それにシズマも、利用出来るものは使うと言っていた。
ただ都市庁に戻る為の道具としてだけ、此処に留めて置くとは思えない。
そう、彼はまだ何かを隠している。
だから今は待ち続ける、ひたすらに。
シズマが此処に来る事を信じて。
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Reservoir Amulet