箱船.13
柔らかな温もり。
普通に考えるなら、これは。
けれど思考さえ奪うように、身動きさえ封じるように。
髪を乱す手は頭をしっかりと固定し、体にもシズマの腕が回される。
「ん……っ」
口内を侵す熱。
目を開ける事も叶わない程、熱い。
思考がとろけて行く。
全てを奪われる。
シズマの吐息を唇に感じる度、今起こっている事が夢のように。
遥か遠くのように思える。
「…………」
落ちる。
何もかもが遠い。
ただ確かなのは、熱。
狂おしいまでの熱が混ざり合う。
乱暴だと思いたいのに、感じる唇から伝わって来るのは優しさで。
それが今は、哀しい。
どれ程の時が経ったのか。
やがて唇が離れた時、遠い意識の向こうで。
「……悪いな」
そう呟くシズマの声を聞いた気がした。
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Reservoir Amulet