夢の終わり.03


足を進める度に、ひんやりとした空気の冷たさが肌に刺さる。

思い出したく無い事を、思い出してしまいそうな静けさ。

随分久し振りだ。

この閉ざされた場所に来るのは。

あの頃は、この場所だけが世界の全てで。

高い空も青い海も知らなかった。

目に映るのは、ただ白い色。

痛みと嘆きの色。

あの頃と、何も変わっていない。

曖昧な日々の記憶。

けれど体は覚えている、よく知っている。

この場所を。

あの頃と何も変わらないまま、今もまだ繰り返していたのか。

愚かだ、限り無く。

『ただ一人でも真実を知ったなら、きっと私の願いを叶えてくれるだろう人に』

立ち止まって息をつく。

どうして此処で彼女のことを思い出すのか。

こんなにも胸が痛くて苦しい時に。

まだ未練があるのか。

過ぎた想い出に浸るなら、せめて。

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