夢の終わり.04


「……来たか、シズマ」

声がした方を見て、再度息を吐く。

「せめて邪魔が入らないところで浸りたいもんだな」

「随分つれないな。こうしてゆっくり話が出来るのは久し振りだろう?」

司は少し離れた所で足を止め、続けた。

「一度此処を出た君が、また戻って来るとはね」

「やらなければならない事があるんだよ」

その言葉を聞いて、口元に笑みを浮かべる。

「良い瞳になったな。都市庁の犬だったお前が」

「それはお前も同じだろ。お前の場合は今もそうか」

「ではシズマ、君はあの女の犬か」

「……下らない事を言ってる場合か」

吐き捨てるように返すと、司は淡々と言った。

「お前が今此処にいるのは、あの女、マイヤ・セレイン・ジェスの為だろう?他の何よりも今は彼女の存在が、その心に大きいからだろう?」

笑みを浮かべたまま、司は続ける。

「都市庁の真実を暴く事を、他ならぬ彼女が願ったからだろう?それを叶える為に、今此処に立っている。そうだろう?」

「……何が言いたい」

「怖い顔をするな。私は事実を述べているだけだよ」

目を細めてシズマを見る。

「君と時を前後して我々に接触して来た女がいた。死んだ筈のその女は命令を受けてこの都市に舞い戻り、別人として生き、裏切り者の監視役としてシズマ、君の側にいたんだ」

「……まさか」

「信じられないか?いや、信じたくないと言った方が正しいかな?」

立ち尽くすシズマに向かい、言葉は続く。

「若いながら彼女も取引を心得ていてね。創始者の娘として持っていた情報をくれたよ。おかげでこちらの研究もはかどった」

- 167 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet