夢の終わり.10
断罪と救済を待ち望む心は彷徨う。
今だけの慰めではない、もっと深く確かなものを。
もう一度だけ強く力を込めて、この腕で抱き寄せても壊れない程の強さで。
もっと今より遠くへ、この手を伸ばせたなら。
いつか、届くだろうか。
『シズマさん』
何も抵抗する事無く漂っている中、誰かに呼ばれた気がして耳を澄ました。
これは誰の声だっただろう。
涼やかで懐かしい。
この声に名前を呼ばれる度、特別に響くような気がして。
『シズマさん』
(ああ、そうか。この声は)
今、流されるままの自分を叱るように響くこの声は。
(このまま死ぬなんて、許してくれる訳無いよな。……マイヤ)
その名を想った時、自分を取り巻くシードジェスエネルギーに流れを感じた。
少し体を動かし、その流れに乗る。
タンクの中に流れがあるなら、それは。
まるで、今も彼女が側にいるかのようだ。
まだやる事がある。
死ぬ訳には行かない。
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Reservoir Amulet