プリズム.04


マイヤが見ている前で、司は猛と対した。

「貴方は中々優秀な駒でしたよ。権力があり地位があり、醜い野望も持っている。そしてその為なら、少々汚い事もやってのけられる。私の思い通りに動いて下さって感謝していますよ」

そう言うと銃を抜き、猛に向かって構える。

「司、一体……」

「貴方は醜く汚い人間だ。忘れましたか?そこにいるマイヤさんの仲間でもある広瀬海斗の友人を殺したのは、貴方でしたね。都市庁の隠された真実を暴こうとした記者は、貴方にとっては目障りなだけ。だから人を使って始末させたんでしたね」

銃口を向けられたまま淡々と語られる内容に、猛は目を見開く。

「どうしたんだ、今更。そんな過ぎた事を」

「翡翠家当主だった翡翠要の両親を殺したのも貴方だ」

耳を貸さずに、司は続ける。

「二人が都市内で起こった交通事故に巻き込まれて死んだのは、都市庁が影でやっている事を知った当主が、もう土地も資金も提供せず真実を世間に公表すると貴方に宣言した直後だった。これが偶然とは、誰も思わないでしょう」

司は目を細めて言う。

「貴方にとっては人の命など、虫と同じ位の価値しか無いのでしょう」

「わ、私の邪魔をした奴らを消すのは当然だ!この都市では私が一番力がある!」

「力がある?とんだ勘違いだな。それは多くの者を踏み台にし犠牲にして得たものだろう。実際こうしてみれば、お前を救う者は誰もいない。哀れなものだな」

引き金にかかる指に力が込められる。

「譲刃猛。お前の驕りの為に多くの人が死んだ。しかし、それによって私の目的はより確かなものとなる」

猛に向けられた銃口は逸らされない。

動かない。


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