プリズム.05
「司、何をする?育ててやった恩も忘れたのか!」
「その点は感謝していますよ。実験によってぼろぼろになった私を引き取り、育ててくれた。まるでそれによって自分の罪滅ぼしとなるかのように。下らない話だ。お前が犯した罪はお前ごときが何回死んで償おうと、決して無くなる事は無い」
マイヤがはっとして叫ぶ。
「いけない、駄目です!司さん!」
すると、冷えた視線が向けられた。
「何故止める?君も知っているだろう。君やシズマのご両親を殺したのも長官だ。君も復讐したいとは思わないのかい?」
「復讐なんて……」
復讐なんて。
「その気持ちを知らないとは言わないだろう?」
一瞬黙って目を伏せ、それから真っ直ぐに司を見る。
「復讐なんて、虚しいだけです。貴方も、もう知っているでしょう?」
その言葉に、司が嘲るような笑みを浮かべた。
「君からそんな言葉が聞けるとは。復讐の為にこの都市に戻って来たのは、何処の誰だったかな」
「……それは」
司は笑みを消さずに、猛に向かって言った。
「譲刃猛、お前はただの私の手駒だったんだよ」
「司……」
マイヤはすぐに動こうとしたが、ふらつく体は言う事を聞かない。
「……っ」
どうしてこんな時に。
必死に体を動かそうとした時、司の声が響いた。
「もうお前の役目は終わった。さようなら」
銃声と共に、猛がゆっくりとその場に倒れる。
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