プリズム.06


「…………」

司は表情を変えずに銃を下ろし、マイヤの方を見た。

「大丈夫かい?ひどい顔色だ」

「何故、何故こんな事を」

「長官まで悼むのかい?優しいね、マイヤさん。そういう演技でシズマに取り入ったのかな」

「どう思われても構いませんが、私の質問に答えて下さい」

言い逃れを許さない瞳に、司は息をついた。

「さっきも言った通り、復讐だよ。こんな下らない実験を日々繰り返し、それを許す都市庁への」

「それなら何故、秘書官として都市庁で働いていたんですか?」

「破滅へ導く為さ」

司は笑みを消し、真剣な表情で続ける。

「急ぎ過ぎ、自らの手に負えない力を持った者は必ず身の破滅を招く。私はそれを速めさせたのだよ」

足下が激しく揺れ、警報が鳴り響く。

その中で、マイヤがふっと微笑んだ。

「……やっぱり似ていますね」

「何?」

「貴方とシズマさんです。友達だからでしょうか」

突然の言葉に、司は訝しげに眉を寄せる。

「いきなり何を言い出すんだい?」

「貴方が思うよりずっと優しく、救いはやって来ますよ」

希望はすぐ側にあるから。

「何を根拠に、そんな事を……」

「根拠なんてありません。私はただ信じているんです。シズマさんを」

あの人を今も。

心の底からただ、信じているから。








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