プリズム.07


あれは確か、長い一日が終わろうとしている頃だった。

一人何もせずに立っていると、不意に話しかけられた。

「……寂しいんですか?」

はっとして振り向くと、自分よりは幼く見える少女が立っていた。

こちらを見詰め、微笑んでいる。

着ている服を見ると、自分と同じで日々実験を受ける一人のようだ。

けれども少女の笑顔は曇りなく優しかった。

眩しい程に。

「じゃあ、抜け出しましょうか」

「え?」

「大丈夫ですよ。少しだけですから」

少女に手を取られて部屋の外に出て、廊下を歩き始める。

小さな手は温かくて、足取りも軽やかで。

それだけで、荒んだ心が癒されるような気がした。

やがて少女は一つのドアの前で立ち止まり、口の前に指を立てて見せた。

頷きを返すと、少女は静かにドアを少し開ける。

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