プリズム.13
目を閉じて、声に出して呟く、
「父さん……マイヤ。俺はまだ諦めない」
戦い続ける事を。
あの日確かに射し込んだ光の方へ、手を伸ばす事を。
ふと気付くと、目から涙が流れていた。
泣いたのなんて、何年振りだろうか。
手で涙を拭い、握り締める。
自分にもまだ、こんなに温かな涙を流せると知らなかった。
ずっと、自分は罪人以外の何者でもなくて。
一番憎むべき相手で。
それはこれからも変わる事は無いと思っていたけれど。
『私は貴方を信じます』
昔から何も変わらない、強くて優しい瞳。
『私はいつも貴方の味方でいます』
差し出された優しさは、時に優しいだけではなくて。
時に厳しく自分を苦しめたけれど。
それでも、ずっとずっと心の根底で救いとなってくれていた。
あの頃から、彼女は自分の救いだった。
光だった。
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Reservoir Amulet