愛の静寂.03
不器用に走り続けて。
本当は誰より救いを、希望を捜して。
泣いて抱き止めてくれる誰かを求めていたのに。
弱さをさらけ出しても汚い自分を見ても、受け入れてくれる誰かを。
求めていた、強く強く。
「それでも、そんな私の前にあの人は現れた。同じように一人で戦い続ける、あの人が」
底の見えない孤独を知っても、穏やかで暖かい瞳。
それは少しずつ、信じる事に対する恐怖さえ溶かして。
「シズマさんが教えてくれたんです。信じる事の優しさを」
一度知ってしまったら、もう戻れない。
それは心地良く、自分でも気付かない内に求めていたものを教えてくれた。
誰かを信じたい。
全てを賭けてもこの身が燃え尽きても、誰かを信じたい。
信じられる誰かに会いたい。
そしてその誰かも、同じように自分を信じてくれるなら。
そんな誰かを、ずっと捜していた。
「だからもうどんなに絶望しても後悔しても、諦める事なんて出来ません。大切なものを守る為に、前へ進むしかない」
「……愚かだね、マイヤさん。これ以上無駄口を叩くなら黙らせるしかないが」
- 194 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet