愛の静寂.04
マイヤは司の瞳を見据え、臆する事無く言い放つ。
「どんなに銃を向けても脅しても無駄ですよ。そんなものに私は屈しない。本当にこの都市の事を思っているのなら退きなさい!」
銃声が響き、頬から血が流れても動じずに続ける。
「きっと、私は貴方と何も変わらない。ただ、自分の譲れない何かの為に戦うだけです。私の道は定まりました。司さん、貴方はどうするんですか?」
銃を握り直し、真剣な表情で強く問い掛ける。
「貴方が心から守りたいと思い、願うものは何ですか?戦う理由は何ですか?絶望を終わらせない為ですか。闇を照らす光を消す為ですか。その為に私を、友を撃ちますか。それでは同じ事の繰り返しだと、貴方も分かっているでしょう!」
「……気の強いところは変わらないな」
しばらく黙ってから、司が呟くように言った。
「シズマも私も、上手く操られたものだ」
「……え?」
司の瞳に、今までに見た事の無い光があった。
優しくて寂しげな、あの人に良く似た……。
「司さん?」
その時、鳴り響く警報の間に確かに声が聞こえた。
司もはっとしたように顔を上げる。
「この声は、まさか」
聞こえて来る声に耳を澄ませ、微笑んで目を閉じた。
ああ、やっぱり動いてくれた。
信じていた。
ずっと、ずっと前から。
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