愛の静寂.08


冷たい夢からの、君の目覚めを願う。

祈りのように言葉を放って。

何処まで行けるのだろうか。

レポートの最後を読み上げ、マイクのスイッチを切る。

罪人の祈りは聞き遂げられる筈も無いけれど。

それでも果たしてみせるから。

祈りではなく、この手で。

廊下に出ると、マイヤを抱えた司の姿が見えた。

息をついて微笑む。

「……連れて来たのか」

司は近くまで来て、腕の中のマイヤを見下ろした。

「このお嬢さんなら眠らせる位じゃ大人しくしててくれないよ。縛り付けでもしておかないとね」

「やれやれ、参ったな」

そっと横たえたマイヤの傍らに膝をつく。

柔らかな髪に触れて呟く。

「本当にお前は大した女だよ。昔から、ずっと」

「そう思うなら、もう少し大切にしたらどうかな?」

「……そうだな。生きて帰れたらそうするよ」

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