愛の静寂.14
『……寂しいんですか?』
時は巡り、幾つもの夜を越えて再び。
星の巡る夜、波音だけが聞こえる中、美しい涙をたたえて。
「突然何の前触れも無く俺の前に現れて、そしてまた不意に消えた……」
この手で消した。
手の届かない遠くへ遠くへ。
また自分は罪を重ねてしまうのか。
ようやく光を見付けたような、そんな気がしたのに。
罪人には胸に微かに灯る明かりさえ、許されはしないのか。
そして、誓った。
切なく胸を揺らした涙に、僅かに感じた温もりに縋るように。
彼女の願いは、どんな事をしてでも叶えてみせると。
「その後、俺は都市庁を抜けて動力源を壊す事を決意し、その為に仲間を……。要と海斗を裏切った」
シズマの顔が、つらそうに歪む。
それを見ると、胸が軋んだ。
心の奥深くで、誰にも見せない程深くで泣いている声が聞こえて来るようで。
泣かないで。
少しでも、傷付いた瞳を癒したくて。
自分の指も同じように罪と嘘にまみれているけれど、せめて。
もう、泣かないで。
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Reservoir Amulet