機械.04


響くのは、規則正しい機械の音。

すぐ側に膝をつくと分かる。

顔には生気が無く、呼吸もしていない。

ただ、繋がれた機械から酸素が送られているだけだ。

「……この装置で、体だけ生かしているんだな」

シズマが近くの液晶パネルを操作し、繋がれた体の顔を半分程覆っている機械を動かす。

すると、長い間此処にいた人の表情が見えた。

こんな事になって尚、穏やかに眠っているように見える二人の女性。

面影は、確かにある。

子供の頃に別れたきり、もう思い出すら遠いけれど。

それでも。

「……私達のお母さんですね」

何本ものコードに繋がれた姿を見詰めて、マイヤが呟く。

「ああ。抵抗した父親を殺して……母親だけを此処に閉じ込めたんだな」

隣に膝をついて尋ねる。

「この女性が、お前の母さんか」

「はい。ユリヤ・リエイン・ジェスです。シズマさんのお母さんのお名前は?」

「シンシア・リズ・ルシード。ずっと、此処にいたんだな……」

マイヤが、そっと手を重ねてくれる。

そのあたたかさが、とても優しい。

「……シンシアさん。シズマさんを生んでくれて有り難うございます」

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