機械.16
誰に似合うのか。
そんな事は聞かずとも、二人を見ていれば分かるから。
司は静かに微笑んで頷いた。
「……成程」
シズマが信号を打つ手を止め、再びマイヤの方を向く。
「お前も付き合ってくれるか?これからの俺の研究に」
「はい。勿論です」
「……有り難う」
ほっとしたように呟いて立ち上がり、マイヤの体を後ろから抱き締める。
「シズマさん?」
「悪いが少しだけこうさせてくれ」
一人に慣れて来たから、今。
人の温もりが、何より嬉しい。
今は何より満たしてくれる。
腕の中の、優しい温もりが。
「……貴方が望むなら、幾らでも」
一緒に行こう、風が吹き抜ける場所へ。
もっと広く、世界を見渡すような場所へ。
戦いと孤独の果て、ようやく掴んだ穏やかな場所へ。
安らぎと温もりを胸に、いつか。
今はまだ先にある約束の場所へ、いつか辿り着けるよう。
今はただ、静かな時を。
- 224 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet