風の示す場所へ.13
「何ですか、これは。まるでアイドルでもいるみたいですよ」
「有名人を友達にすると鼻が高いね 」
大勢の報道関係者の中で、自分もカメラを構えながら海斗が言う。
「これだけ世間の注目を集めていれば、シードジェスエネルギーが人々の生活に溶け込む日もそう遠くはないって思わないかい?」
「まあ、そうですね。それは歓ばしい事ですが、この人混みは何とかならないんですか」
要は人に押され、窮屈そうにしている。
「嫌なら司みたいに外で待ってろよ」
「そういう訳には行かないでしょう。出て来た時、速く帰れるようにしなければならないんですから」
「分かってるじゃん。今日は大切な日だからね」
要が腕組みをして息をつく。
「……何もこんな日に仕事を入れなくても良いものを」
「でも今日の対談が上手く行けば、今後の改良実験がやり易くなるからね。そこら辺は分かってくれてるさ。我等が女神もね」
「全く、憎たらしい奴ですね」
「同感」
微笑んで、海斗はカメラを構え直した。
「ああ、ほら。出て来たよ。今日の主役がさ」
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