風の示す場所へ.14
部屋の外に出た途端、いっせいにたかれるカメラのフラッシュに少し目を細める。
「対談は如何でしたか!?」
「相手の方の反応は!?」
「はい。万事上手く行きましたよ」
同時に浴びせられる質問に、ただ一言だけを答えて視線を巡らす。
人混みの中に要と海斗の姿を見付けて足を進める。
「今後の研究のご予定はお決まりですか!?」
「どのような施設への提供を考えておられますか!?」
尚も投げ掛けられる質問に振り返って微笑む。
「すみませんが、大切な人が待っているんです」
二人がさり気無く道を開けてくれる。
外に出ると、司が車のドアを開いて待っていた。
「早く乗れ。飛ばすぞ」
「ああ。有り難う」
助手席に乗り込み、素早くシートベルトをする。
「こんな大事な日に女神を待たせるなんて、バチが当たるよ」
「後で沢山埋め合わせをしてあげるんですよ」
後部座席から要と海斗が口を揃えて言った。
「そうだな。……そうしたいと思う」
そう言った横顔をちらりと見て、すぐに司が視線を前に戻す。
危なげ無くハンドルを操りながら、そっと微笑んで言う。
「幸せにしてやるんだぞ」
「ああ。出来る限りはな」
幸せにしよう、誰よりも。
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