狂った針が時の記憶を刻む.05


休み時間に職員室に入って行くと、手を上げて名を呼ばれた。

「春日さん、良いところに来ましたね。今、君のクラスに行こうと思っていたんですよ」

「翡翠先生、何か?」

「ほら、これです」

要は舞夜に数枚のプリントを渡した。

「今度の発表会の資料ですよ」

「あ、有り難うございます」

「詳しい事はそれを見れば分かるでしょう。テーマは自由、それぞれ興味のある題材でレポートを発表してくれれば良いという会です。君の好きにやると良いですよ」

「はい、分かりました」

頷くと、要が調子を変えて続ける。

「どうです、この学院には慣れましたか」

「はい。まだ戸惑う事もありますが、葉月先生や翡翠先生みたいに気遣って下さる方がいてくれますから」

「……そうですか」

要は微笑んで椅子を鳴らした。

「これで僕の用事は済みました。そういえば春日さんは、此処に何か用があったんですよね?」

「あ、はい。葉月先生に」

「静真ならもうすぐ来ると思いますよ。ああ、ほら」

丁度入って来た静真の方を示す。

「あ、本当ですね。有り難うございます」

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