狂った針が時の記憶を刻む.06
舞夜が静真に近付いて何か話している。
その様子を眺め、一人呟く。
「……成程」
しばらくして舞夜と話し終わり、要の隣のデスクについた静真が不思議そうに尋ねて来る。
「どうした、何か嬉しそうだな」
「いえ、変わって行くのは悪い事じゃないなと思いまして」
それを聞き、静真は少ししてから息を吐いた。
「そうだな。それがどんな形であれ、変化して行くのはきっと……」
微かに笑みを浮かべて続ける。
「きっと、悪い事じゃないな」
それが、例えどんな形であっても。
全てが希望に繋がる訳ではなくても、小さな変化は悪くない。
それはきっと、ゆるゆると続く日常の中でいつか来る大きな変化の為の。
希望の種となる筈だから。
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Reservoir Amulet